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パレスチナを知っていますか? その3 吉田阿純
2018/02/06(火)
イスラエル兵は、どれだけ残虐な方法でパレスチナ人を殺しても、ほとんど罪を問われることはなく、ニュースにも取り上げられない(あるいは事実と異なる報道がなされる)ため、イスラエルの人々の多くは自国の行為の実情を知らずにいます。
18歳になると、イスラエル国民の男女には兵役が課せられます。兵役の期間に、パレスチナ人への暴力を命じられ、それまで信じてきた「正義」とのギャップや自らが行った残虐な行為のために、精神を病む若者も決して少なくありません。(しかし、兵役を拒否すれば今度は自分が投獄され、周囲の非難にさらされて生きることになります)
ある元イスラエル兵は、こうした現状に対し、このままではイスラエルの国全体が魂を失ってしまうと警告しています。
ジャーナリストの土井敏邦さんによる『沈黙を破る』というドキュメンタリー映画と、同名の書籍が、この状況を鮮明に伝えています。中東問題という枠を超えて人間そのものについて深く考えさられる、大変優れた作品です。