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パレスチナを知っていますか? その4 吉田阿純
2018/03/04(日)
イスラエル軍によってパレスチナの人々が日常的にさらされている暴力について話を聞くと、とにかく常軌を逸しており、堪えがたい思いがします。
ところが、兵士がこのように暴力と支配の快楽のなかで理性を失っていくのは、イスラエルに限ったことではなく、“占領”において普遍的なことなのだといいます。イラクやアフガニスタンにおけるアメリカ兵や、かつての日本がそうであったように…
戦争において「敵か味方か」というのは、おそらくあらゆることに優先される判断基準です。
でも、ふと足元を見てみれば、戦時中「味方」であるはずの同じ国の公安や特高警察に殺された人は数知れず、今なお、基地の建設に反対して捉えられている人がおり、同じ学校の生徒からのいじめで自殺する子どもたちがおり…
たぶん「戦争」や「暴力」にとってみたら人間は、「敵」だろうと「味方」だろうと、単なる「道具」。国境が敵と味方を分けるというイメージは、暴力に理由を持たせるための幻想にすぎません。
だからこれは、どこか一部の地域や、遠い国の出来事などではなく、人類全体の未来に関わる問題だと、そんなふうに思えてならないのです。