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アースなあの人:佐藤和斗さん「鹿にも人と同じ命がある」

2018/01/05(金)
「国籍、文化、宗教、言語などあらゆる違いを超えて幸福と自由をシェアしよう」というのがNPOアースキャラバンのスローガンですが、直接関わりがなくても色んな分野で人間全体、生物全体、地球全体を視野に入れた利他的な活動をされている方々がいらっしゃいます。
 
今回は、自然写真家・佐藤和斗さんによる、
鹿の保護活動についてのFB投稿を転載させて頂きました。
また、素敵なポスターはamanojack design の三原賢治氏の制作です。佐藤さん、三原さん、ご協力ありがとうございました。
以下、佐藤和斗さんによるFB投稿です。

みなさんに知ってもらいたい1枚のポスターがあります。
「 人間が、鹿のお腹をゴミ箱にした 」
数年前に奈良公園内で亡くなった一頭の鹿の胃の中から3㎏のゴミが出てきたのです。
このポスターは、amanojack design の三原賢治氏が、奈良公園内に暮らす鹿たちの現状を知ってもらうために作られたポスターです。
僕はこのポスターを見た時、胸が締め付けられる思いがしました。
 
今日もこうしている間に鹿たちは人から食べ物をもらい、その残った容器や袋、閉じていた小さなテープなどを奈良公園に捨て、なにも知らない鹿たちが食べてしまうのです。
撮影を行っている最中にも何度も地面に捨てられた紙袋やプラスチックの容器を鹿が食べているところに出くわし取り上げたことがあります。
また、奈良公園内で販売されている「鹿せんべい」以外のエサをあげる行為を条例で禁止した方がいいんじゃないかという声も出ています。
※僕もドングリをあげたことがありますm(._.)m
 
よく見かけるのが、野菜や炊いたお米、粉のような物を撒き鹿たちに与えている方の姿を目にします。
声をかけても「はい、はい」とそっぽを向いて相手にされないこともしばしばあります。
鹿せんべい以外はもちろん、お菓子などを与えられた鹿たちは体調を崩し病気になるケースが相次いでいると聞きます。
普段は目につくゴミもなく、のびのびと鹿たちが暮らす奈良公園ですが、皆さんが見えていないところや見て見ぬふりをしてしまうところで、とても危険で哀しい現実があるのです。
 
毎日朝早くからゴミ拾いをされている方々がいること、鹿が怪我をしたり、鹿が畑に被害を出した際に現場に出向き、僕たちが知らないところでも活動されている「奈良の鹿 愛護団体」の方々の存在があることも多くの方に知ってもらいたいです。
 
奈良の鹿は天然記念物だから守るんじゃなく、神の使いだから助けるんじゃなく、もちろん観光客を集めるためのものでもなく、人と同じ命があるから誰もがルールを守り保護していくことが大切なんだと僕は思います。
 
また、奈良公園で撮影しているとよく思うことがあります。それは都市の近くに人間と共存し続ける野生の鹿が暮らしている場所は、世界中のどこを探しても、ここ『 奈良公園 』だけだということです。
こんな奇跡とも呼べる場所に暮らす鹿たちを今後100年、1000年と変わらず残していくために一人一人の意識を変えるチカラになれたらと思っています。
 
意識を変えること、現実を受け入れ真実から目を背けないことはとても勇気がいることです。
難しいこともあると思います、今回勇気を持って発信したこと、現在鹿たちを撮る写真家の1人として、奈良公園近くに暮らす住民として、これからも残していきたい大切なもの、知ってほしい現実をどうしても皆さんに伝えたかったのです。
 
その気持ちを後押ししてくれたこのポスターをぜひ知ってもらいたい!その想いで不慣れな長文を書かせていただきました。
賛同してくださる方はポスターのことを広めるため、投稿をシェアしていただけると有難いです。
長文にも関わらず最後までお読みいただきありがとうございました。
最後に、このポスターを作られたamanojack design の三原さん、一般財団法人 奈良の鹿愛護会の皆様、鹿サポーターズクラブの皆様、奈良公園で働かれている皆様、そして鹿を愛する全ての皆様に心より感謝致します。
  
〔佐藤和斗さん〕
自然写真家 ・写真集「 Dear deer 鹿たちの楽園 」(青菁社)や空を写した「心に響く風景」「 Art Landscape 」など独自の作品を発表しています。Plus+Photo 写真教室 講師。
※1月中旬まで「イオンモール四條畷・未来屋書店」さまにて『 特別写真展 & 青菁社ブックフェア 』を開催中!
 
〔三原賢治さん〕
古都は奈良市を拠点にデザイン事務所をしております。企業や店舗ロゴ、パッケージデザイン、冊子デザイン、装丁などのグラフィックデザイン、webデザイン、イラストレーションを活動を行なっております。
amanojack design 
http://www.amanojackdesign.com/

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