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2019 春 パレスチナ訪問報告書~水質改善、土壌改善プロジェクト~

2019/06/12(水)
1.このプロジェクトを始めた理由
 
 2016EC中東ツアーで訪れた村々で聞いたのは、「井戸を掘ることさえ出来たならば、自分たちの土地にある水で十分なのだ。井戸を掘ることが許されず、その水をイスラエルに奪われ、高い値段で買わされているのだ。この水は元々我々の土地にあったものだ。そしていつ水を止められるか分からない。」というお話でした。
そこで下記のことを目標に、汚水を水質改善し、再利用するシステムを作ることを考えました。
 
1.雨水の水質改善
2.水の再利用により、購入する水の量を減らす
 
そしてEC中東ツアー中にプロジェクトに協力してくれる、テントオブネイションズ(以下テント)のダオード氏に出会いました。
 
テントオブネイションズ:ベツレヘム近郊で入植地に囲まれながら先祖代々の土地を守り続けている家族が運営している非暴力活動団体。そこの代表のダオードさんは気さくな人柄で海外からの支援者から慕われています。映画Be Free!にも登場しています。
 
2.なぜテント・オブ・ネーションで始めようとしたか?
 
 テントでは汚水を農業用水として使えないだろうかと既に4つほどの浄化槽を自分たちで作り、試行錯誤していたのでした。
 そしてパレスチナの子供達や他の村人たちが、ここにいろんなことを学びにきているということから、テントをパイロットケースとして、この技術がパレスチナの人々に広まって行くことも目的としました。
 
3.ある企業に出会う
 
 何かやり方はないだろうかと探して行く過程で、ある企業の偉大な技術に偶然出会うことが出来たのでした。実際会社にお伺いし、水質改善だけでなく、土壌改善の可能性があることもお聞きすることが出来ました。
 その技術を携え、2019年春パレスチナに向かいました。
 
方法;ある技術とは?
 
 ある企業にご協力をいただき、水質改善、土壌改良にある技術を用いました。その技術は、微生物の偉大な力に助けてもらい、自然を本来の姿に戻すことが出来るものです。自然界が本来持っている微生物の力を劇的に活性化させる機能を持ち、その効能は水質改善、土壌改善、臭気対策など広範囲に及ぶものです。
 
過程、結果
 
テントにおける水質改善システム
 
 テントにおいて二つのシステムを立ち上げました。
 
A.雨水の水質改善
 もともと雨季に降る雨水を地下のタンクに貯めて、乾季にそれを利用して来たが、その水の水質を改善できないだろうか?というテントからの要望により、水質改善システムを始めました。
 
左側が始める前、右側が一週間後。すでに色が違います。↓
B.下水を水質改善して農業用水としての利用
 もともとキッチンからとトイレからの汚水を四槽からなるタンクを使って再利用していたのを、より水質改善することを試みました。
 
始める前の浄化第二槽と第三槽↓
水質改善システムを開始した翌日の第二槽と第三槽↓
昨日とは水槽の雰囲気がガラリと変わり、心地の良いエネルギーを感じました。写真からもその違いが伝わると良いのですがいかがでしょうか?水はまだ濁っていて透明度も大きな変化はみられないのですが、これはもう水質改善ということだけでなく、場の氣(エネルギー?)を浄化しているように感じ、衝撃をうけました。
 
そして、【1】A.B.二つのシステムを動かし始める前、【2】動かし始めて一週間後、【3】一ヶ月後、【4】三ヶ月後とサンプルを取り水質検査にかけ、データを取ります。
 
 
その他
 
 テントでの水質改善プロジェクト開始の他に、水質改善、土壌改善を必要とする人々と繋がることも今回の訪問の目的にしていました。
 NPO法人アースキャラバン(以下EC)がパレスチナで協働しているイスラエル人活動家ガイに相談し、2ヶ所(トゥムサイヤ、スシヤ)で土壌改良を始めることが出来ました。
 
1.トゥムサイヤ村の農場における試行
トゥムサイヤ村のナイデル(Nidel Rbie)(パレスチナ農業委員会役員、世界農業協会役員)が持っている農場および彼の友人の農場にて試用してもらうことになりました。その際、この技術を使うところと使わないところを作り、その差がわかるようにします。
 
トゥムサイヤ村↓
トマト、きゅうり、オクラ、などの畑↓
2.スシヤ村の農場における試行
 2015年のEC中東ツアーでも回ったことのあるスシヤ村での試用。(実際2015年に行った時の村は壊されて入植地になっていて、新しいスシヤ村)
 そのスシヤが持っている農場にて、農場が持っているタンクに溜めている雨水の水質改善をし、キュウリを作っているビニールハウス農場にて試用。またその水はそこで飼っている鶏やヤギなども飲むことになるのでその結果も観察します。
 
スシヤの農場の水タンク↓
↓ハウスの中のキュウリの苗、丁寧にちょっとずつ一苗ごとに
↓右側から2番目が映画Be Free!に出演したナサール
今後の見通しと課題(どうやって広めていくか?)
 
この3ヶ所をパイロットケースとして、パレスチナの人々に広げていくこと
 テントでの結果は水質検査によって示される予定です。
 またトゥムサイヤ、スシヤでの結果は、去年の収穫量と比較することで示されます。
以上の結果により、この技術のパレスチナでの効果が実証されれば、新たな場所、人々に実績を携えて説明をすることが出来るようになります。
 
 そしてパレスチナの地をより豊かにしていくためには、資金が必要となります。そのためにクラウドファンディングなど寄付を募ることも検討して行きます。
支援の方向性として、
 
1.パレスチナの人の中に金銭的に余裕のある人には
→その人個人だけでなく、村全体の支援を共に考えていく
 
2.やる気はある、上記の作業、経過報告が出来る、しかし資金がない人々、村には
→クラウドファンディングなどや、ECを通して募金を集めをサポートする。
その際にも、個人単位ではなく、村全体を支援できる方向で考えて行く
 
3.サポートに頼るのではなく、自立できるようなサポートをしていく
→「魚を与えるのではなく釣り具を使い方を与える」そういうサポートを望んでいると今回の3箇所ともで言われた言葉。このことを忘れずに支援していく。
 
 
まとめ
 
 今回この技術を用いることによって、水質改善、土壌改善するだけでなく、その土地のエネルギーをも回復してくれるのではないかという想いに至りました。
 
 そう思った時、長い争いの歴史があり、傷ついた彼の地を癒してくれるんだと確信しました。
  
 パレスチナもイスラエルも緑溢れる土地に戻れるんじゃないだろうか。
 そうすれば占領や奪うということがいつかなくなるんじゃないかとまで思い至りました。
 
生きとし生けるものすべてに、安全な水を飲む権利があります」の言葉とともに、パレスチナもイスラエルも緑溢れる地にする、奪い合えば足りない状態から、分け合えば余るという想いを胸にこのプロジェクトを進めて行こうと今回想いを新たにしました。
 
 この技術を提供して下さった企業の方々への感謝とともに、決して安易な道ではないと思いますが、みんなと力を合わせて、彼の地のエネルギーを癒し、そこに住む人々が癒され、世界が平和になることを願いながら、やって行きます。
 
NPO法人アースキャラバン
茂木 謙知
茂木 えい子
 
 
 
追記:ビリン村訪問
 
 パレスチナ、ビリン村の非暴力活動家であり写真家のハイサムの写真展が2018年秋に滋賀県観音正寺、2019年1月獨協大学にて行われ、その時に集まった支援金を直接ハイサムに手渡しにビリン村に行ってきました。
 
 ビリン村は、いまだに毎週数回夜中にイスラエル兵が村を夜襲し子供達を拉致していきます。それをなんとか食い止めようと彼は毎晩村をプレス(報道)とサインの入った防弾チョッキをつけてカメラを持って夜回りをしています。(自分たちの生活を犠牲にして)
 そんな中のこの支援金は、彼と奥さんは本当に喜んでくれました。
 ここに彼に代わり支援をしていただいた方々にお礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。
 
 皆さんの支援が彼らをものすごく力づけています。その時の彼らの驚き・感動そして感謝を少しでも皆さんに伝えられたらこんなに嬉しいことはありません。

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