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ボランティアさんいらっしゃい:「差別のない世界を」鈴木祐太さん

2017/07/29(土)
今回は、アースキャラバン広島にボランティアとして参加して頂いた鈴木祐太さんにお話を伺いました。
 
※以下、タ=タク(インタビュアー) 鈴=鈴木祐太さん
 
参加のきっかけは広島への転勤
 
タ:よろしくお願いします。早速ですけど、アースキャラバンを知ったきっかけは何だったんですか?
 
鈴:インターネットで調べて、ですね。
 
タ:それは「どこかでボランティアしたいな」と思ってお調べになったんですか?
 
鈴:6月から会社都合で広島に異動することになったんですが、広島のことを知らなかったので、歴史とか広島のことをよく知るきっかけになるイベントってないかなって探していた時にアースキャラバンに出会ったという感じです。
 
タ:ああ、そうやって来られる方もいらっしゃるんですね。では最初からボランティアしようと思って探したわけじゃないんですね?
 
鈴:そうです。ボランティアしたいからということで参加された方が多いと思うんですけど、私の場合はそうじゃなかったんですね。
 
タ:それで、ボランティア募集の告知があったので、「参加してみよう」となったわけですね。
 
鈴:そうですね。
 
タ:遠方に赴任先が決まって引っ越しやらいろんなことでバタバタしている時に、「その土地のことをよく知りたい」と思ってイベントに参加するってなんか偉いですね。ポジティブですよね。
 
鈴:確かに引き継ぎとかもあったので、バタバタはしてたんですけど、そういう言い訳はしたくないと思って。
 
タ:え、偉すぎる…(爪の垢の予約が一年先まで埋まってそう)
  他にもボランティア経験はあるんですか?
 
鈴:全くないですね。
 
タ:ボランティアすることには抵抗なかったですか?
 
鈴:広島のことを知るという主旨があったので。
 
タ:鈴木さんなりの目的があったので完全なボランティアではない、と。
 
鈴:そうです。
 
タ:広島というと、原爆ドームとか毎年の式典とかイメージしますもんね。
 
鈴:そうですね。
 
タ:やっぱり戦争というイメージが大きかったですか?
 
鈴:そうですね。なので、そういうことを学ぶ機会になるかはわからないけれども、何かいいきっかけになるかなと。
 
タ:実際に参加されてみて、ビフォー・アフターじゃないですけど、終わった後で何か広島に対する印象の変化などありましたか?
 
◎平和の火、被爆二世の想い…広島の生の現実を体験できた
 
鈴:そうですね。今回、私はキャンドルナイトのディレクションということで携わらせて頂いたんですけど、そういった背景があるので、原爆を知るいいきっかけにはなりました。もともと神奈川県出身なのでメディアを介した情報でしか知らなかったんですが、今回のアースキャラバンで被爆二世の方の思いとか平和の火の歴史を直接体験するというか、フィルタリングされた情報でなく生の声を聞いたりして知ることができたのでよかったです。
 
タ:アースキャラバンは毎年続いてるんですけど、また参加してみたいですか?
 
鈴:参加したいです。いい勉強させて頂いたので今後も継続して携わることができれば嬉しいなと思います。
 
タ:ありがとうございます。ところで、アースキャラバンは世界平和をうたってるイベントなんですけど、世界平和と聞いてどんなことを連想しますか?
 
鈴:平和という言葉って定義が難しいと思うんです。ひとくくりに出来ないというか。辞書で調べると二つ意味があって、「戦争がなくて世の中が穏やかな状態になること」と「心配や不安がなく心が穏やかなこと」という二つの意味があって、もちろん戦争、紛争がない世の中も望んでますけど、個人的にはもめ事のない穏やかな心というのを望んでいて。1その理由の一つとして、私アメリカに留学してたことがあるんですが…
 
タ:大学にですか?
 
鈴:はい。そういう海外の生活で人種差別的な経験があるんです。
 
タ:それは嫌がらせ、とか?
 
◎「Fuckin' Japがいるぜ」
 
鈴:…嫌がらせというか…たとえば、授業を受ける前に席につきますよね。その時に「 Fuckin' Japがいるぜ」みたいな発言される方がいらっしゃったり。(←そんな人を語るのにも敬語です。合掌)
 
タ:随分汚いお言葉を使う方がいらっしゃいますね(笑)。
 
鈴:そうなんですよ(笑)。そういう経験があったから差別はよくないよなと改めて感じたんです。そういう経験を通じて、ふだんの生活でもめ事、心配がない世界があったらいいなと。そういう世界がきたらいいなと。
 
タ:それは戦争云々というよりも、何と言うか一人一人の心の平安みたいなところが先にくるという感じですか。
 
鈴:それが先にあって、戦争がなくなるということにつながってくるんじゃないかと。
 
タ:あ、もうそれが次の質問の答えになってますけど、世界平和を妨げるものがあるとしたら何だと思いますか?
 
鈴:差別意識ですかね。肌の色、宗教、国籍とかで差別するんじゃなくて。もちろん考え方が違うのはありますけど、話せばわかることがあると思うので。
 
タ:そうですね。”Fuckin' Jap” は話そうって姿勢じゃないですもんね。突き放しておとしめてみたいな。
 
鈴:それだと話自体が成立しないので、そういう(差別的な)考え方がなくなれば、世界平和にもつながるんじゃないかと。
 
タ:なるほど。ところで、鈴木さんの個人的な夢はありますか?
 
鈴:先ほどの話から続くんですけど、もめ事のない世界を創りたいなと。日常レベル含めてですけど。
 
タ:はい。その夢の実現のために何をしたいですか?
 
◎「お互いが理解・共感し合えるキッカケや空間を創る
 
鈴:創作活動を通じてお互いが理解・共感し合えるキッカケや空間を創ることに取り組みたいと思っています。今回のキャンドルナイトもその一環で。個人的にはふだん音楽作ったりすることもあるんです。
 
タ:バンドとかですか?
 
鈴:バンドではないですけど、パソコンで打ち込みみたいな感じです。
 
タ:パソコンのソフトで全部やっちゃう感じですか? インストで。テクノとかアンビエントとか。
 
鈴:テクノ、ハウス、アンビエントとか。そういったジャンルに興味あって。もともと母親がピアノの先生をやっていたというのがあって、それで音楽はずっと興味があって。
 
タ:すると、日本でも今フェスとか小さいパーティーが沢山ありますけど、そういうのもよくいかれるんですか?
 
鈴:関東にいた時は、DJやってました。学生の頃にアメリカのMTVってテレビ局ありますよね。あそこで2年間インターンという形で働かせてもらって。音楽に触れる機会が多くて、その興味が続いているので何かに活かせればなと。
 
タ:そうなんですか。じゃあアースキャラバンのステージでDJやったりとか? 審査とかあると思いますけど、そういう形も全然ありですよね。音響さん的な形とか。アースキャラバンの裏方ってそういうケースが多いんですよ。たとえば、ウェブデザインを仕事にしてる人がHP作ったり、映画の監督やった人はCMプランナーで、手続きのための文書は行政書士の人が担当したりとか。
 
鈴:そうなんですね。
 
タ:だから単発のボランティアとしてキャンドルナイトみたいに一つの作業を手伝ってもらって、終わりなだけでなく、やる気次第で深く関わって行くこともできるかもしれないです。
 
鈴:タクさんはどういったきっかけで参加されるようになったんですか?
 
タ:これはあんまり知られてないと思うんですけど、スタッフの中心になってるのは呼びかけ人である遠藤喨及さんのタオ療法の生徒なんです。ぼくもその一人で。だからスタッフの半分ぐらい?の人が整体とか鍼灸とかマッサージとかそういう治療家の人が多いです。もちろん普通の主婦の方とかビジネスマンの方とか指圧を仕事に活かそうというのでなく習ってる人もいます。
 
鈴:えー、そうなんですか!
 
タ:というのもタオ療法は「体のどこを押す」といったフィジカルなものじゃなくて、やる側の心の状態によって全く異なる効果を出すものなんです。当然クラスでも心が気と体にどう影響するのかを体感するワークなどもあり、治療家でなくても「人間ってなんなんだろう」とか「どうすれば幸せになれるのか」そういった根源的なことに関心のある人、生きる道を求める人たちが習っています。新興宗教じゃないですよ(笑)。そういうクラスとアースキャラバンが同時進行していて、キャラバンが実践の場みたいな感じなんです。ぼくもただ指圧を習い始めたつもりだったので、こんなことになるとは夢にも思ってなかったんですけど(笑)。
 
鈴:ああ、なるほど。
 
タ:ちょっと話を戻しますね。アースキャラバンに思うこと、イベントへのメッセージとかありますか?
 
◎「差別のない世界を
 
鈴:国内だけでなくて海外、中東でも活動されてるというのを知りました。映画「Be Free!」※の製作もあって、すごく世の中がよくなるようにというふうに活動されてて、そういうところにすごく興味をもっていて、今後も何か携われることがあればと思っています。
 
タ:ありがとうございます。是非今後ともよろしくお願いします。ところで将来どんな世界を望みますか?
 
鈴:さっきと重複しますけど、まあ差別のない世界ですね。
 
タ:その実現のために鈴木さんがやりたいこと、心がけたいことってありますか?
 
鈴:バックグラウンドに捉われず、お互いが理解・共感し合えるキッカケになるようなイベントに積極的に関わるとか、あとは、そのためには自分自身が差別をしないように色眼鏡を使わないで、同じ人間として、こんな言い方すると上から目線みたいですけど、対等な立ち場に立って接することを心がけたいです。
 
タ:ご自分の中にも差別をするような心があると思いますか?
 
鈴:そうですね、今まで受けてきた教育やメディアによる情報操作の影響とかもあるので、ゼロではないですよね。自分自身としては差別意識なくてもそういう刷り込みが残ってると、どっかで出て来ちゃうというのはあるかもしれないですね。なので、そういう考えを持たないで過ごすということを心がけて暮らしたいです。
 
タ:他にご質問とかありますか?
 
鈴:今回のインタビューって私FBでプロフィールに横須賀市在住って書いてあってそれを直してなかったので、もしかして直接お会いしてインタビューをするというのを想定されてたのかなと思って、それが広島在住なので大丈夫だったのかなと心配だったんですけど…(←そんなこと心配してくれるの?泣 連載初回にして、早くも”抱かれたいボランティア”No.1の登場か)
 
タ:もちろん、近ければ実際お会いしてインタビューしたかったですけど、全然ぼくなんか大丈夫です(笑)。
 
タ:「Be Free!」の監督をやった鈴木聡が広島でボランティアの子に「なんでバイトじゃなくてボランティアに来てるの?」とおっさん世代的質問をしたら、「なに言ってんの、この人?」みたいな目で見られて、「やりたいからやってるんです」とかすごいストレートな答えが返ってきて眩しかったみたいなこと書いてました(笑)。"さとり世代"は違うのかなとか。
 
鈴:高校生とか若い子多かったですからね。
 
タ:けっこう厳しいコメントもありました。「日本人は恥ずかしがったりして署名も全然してくれない。外人の方がOK、OKって気さくに協力してくれるけど、日本の大人たちは全然自分のことっていう自覚がない」と。シビアに見てるんだなあと。
 
鈴:なるほど。
 
タ:広島で反核の署名やってましたよね。近くでライブをやってたみたいでそこから流れて来た若い人たちが署名のブースを通りかかって、「コツコツやっていくことが大事だと思うので、頑張って下さい」って言うだけ言って署名はしないで立ち去ったというのがあって。他人事&上から目線みたいな(笑)。
 
鈴:(笑)
 
◎「人間は一括りにできない
 
タ:だから世代といって一括りにできなくて、やっぱり人によるんだと思いますけど。いろんな人がいるなと。
 
鈴:いろんな人がいますよね。ほんとに。
 
タ:日本人とか韓国人とかひとくくりにしてもね。マスコミは「彼らはテロリストだから」とか「北朝鮮だから」とか一括りにしてイメージを植え付けたりするし、僕ら自身も一括りにして固定したがるじゃないですか。だけど、それ自体がちょっとね…。
 
鈴:そうですね。で、外に出ると全然情報と現実が違ったりしますからね。
 
タ:アースキャラバンで各地を回ると、みんな平和を望んでるというのがわかるんだそうです。それを肌で感じると、戦争なんて今でもまだやってるというのがもうバカらしく感じられてしょうがない、と。
 
鈴:そうですね。
 
タ:まあこんなところで終わろうかと思いますが、何か話し足りないこととかありますか?
 
鈴:そうですね…いまのところはなさそうですね(笑)
 
タ:今日はご協力ありがとうございました。お話が聞けてよかったです。
 
鈴:直接お会いしてお話できたらいいですよね。
 
タ:はい、機会があれば。また横須賀に戻って来ることがあったら連絡下さい。横須賀は自宅から近いので。
 
鈴:はい。その時はよろしくお願いします。
 
終わり
 
※ Be Free! :アースキャラバン2015(初年度)のドキュメンタリー映画。
  
後記:
すごく丁寧に気配りされる方で、無償でインタビューにも協力してくれて、なおかつぼくのことを心配してくれたりして…(泣)こんないい人の鈴木さんにFuckin'Japはないだろう!
ともかく彼氏のいない広島方面の女子に鈴木祐太さんをお勧めします。(本当に募集中)
きっとあなたのキャンドルにも火を灯してくれることでしょう。
いやーそれにしてもボランティアって本当にいいものですね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!



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